かべのこ13
「ウワアァアァァー!!!」
絶叫を叫びながらリゼは黒い化物に襲い掛かろうとする!・・・しかし
ガシャン!ガシャン!
足枷に着いた重りのせいで今の場所から動くことが出来ない。
キッと化物を睨みつけるリゼ。
その瞳はドス黒く殺意に満ちていた。
「オ・・マエ・ノ・・セイダ」
「オマエガ・・オモイ・ダ・サセルカ・・・ラ」
片言な喋り方で化物に訴える、言語を思い出したリゼだったが、ちゃんと喋れないのは幼き頃の自分を呼び戻したにすぎないから。
ガシャン!ガシャン!
目の前の化物に近づけない虚しさ!
何も出来ない自分への悔しさ!
ぶつけようのない怒り憎しみ!
リゼの両足は足枷に食い込み血が滴り落ちてきていた。
ガシャン!ガシャン!
「グワァアあァアアぁー!!!」
しかし化物に向かって行く動きを止めない!
足がもげそうな勢いで向かっていくリゼ!
だってこいつが!
こいつが私の不幸の原因!
こいつが私の不幸の!
こいつが私の!
こいつが・・・
不幸の原因・・・?
ずっと化物に向かっていたリゼだったが、ふとその行動を止める。
足から血が流れ落ちるのと同じように、頭から血が引いて冷静になっていく。
「チガ・・ウ・・・オマエジャナ・・イ」
冷静な判断は新たな答えを模索していく。
「あなたが壊したいのは私じゃないでしょ」
ずっと黙り込んでいた化物がリゼに語りかける。
その語りは新たな憎しみへとリゼを導いていく。
〜続く〜