kiyoharaのブログ

巨人もそれ以外も、おもしろおかしく楽しく伝えれたらと思ってます。

かべのこ 12


「ウォゥえっ!!」


「うぉっえええぇぇっ!!」


嗚咽と涙が止まらない!

一気に封じ込めてた記憶が、かべのこの脳に叩き込まれていく!


私の名前はリゼ!

私は生贄に選ばれた!

私は父に見捨てられた!

私は母を殺された!

私は母を父に殺された!


記憶が蘇ることによって知らされた真実!

そして、知りたくなかった真実も現実のものとなっていく!


私を牢屋で囲っていたあの男は…



…オトウサン



私は父親に母を殺されて!私は父親に犯された!



「うわあぁああぁアァアあアァっッ!!!」



嗚咽が絶叫に変わるリゼ!

過去の事実と新たな事実で頭が割れそうなくらいにおかしくなっていく!


「ヴォハァっ!」


ボタボタボタボタッ!


吐血か出る!身体に影響が出る!

もう何も考えたくない!考えたくない!考えたくない!考えたくない!考えたくないのに!



「あなたの魔法であなたは奴隷になった」

「あなたの魔法であなたは父親に裏切られた」

「あなたの魔法であなたの母親は死んでしまった」



黒い化物は、そんなリゼに追い討ちを掛けるように静かに語り出す。



「・・・ヤ・・メ・ロ・・」



リゼは化物の言葉を理解していた!

リゼは自ら言葉を化物に投げかけた!


記憶をを思い出したのと引き換えに、感情と言語と理解がリゼの中で思い出されていく。

記憶を失う前のリゼに戻っていく、かべのこと言われる前のリゼに…


「あなたの魔法で…」


「ヤメロー!!!!」


リゼの絶叫が暗闇の中で響いていく。



〜続く〜

×

非ログインユーザーとして返信する