かべのこ 7
暗い牢屋に1人残されたかべのこ。
静かな時間が流れていく。
先程まで繰り広げられてた悪夢のような時間はようやく終わった。
ゴシゴシと自分にへばりついた白い汚物と赤い汚れを布切れで擦りとっていく。
その布切れはビリビリに破れた自分の服。
その作業が終わると、白濁と鮮血のこびり付いた服を再び着る。
チャリ…チャリ…
「・・・・」
手枷が付いてるせいで上手く着れない。
袖を通さないのでそのままにしておいた。
苛酷な労働を終え、いつものように牢屋の隅で横になる。
…トクンっ!
まただ、さっきも感じていた。
かべのこが感じたことのない心の痛み。
身体への痛みはいつも感じていたが、心の痛みを感じたのは初めてだった。
誰に命令されても、誰に陵辱されても、決して感じる事なんてなかったのに…
牢屋を管理しているあの男にだけ感じた。
…これは一体なんなんだろう?
………………………
…………………
…スゥ…スゥ…
考えることよりも今日の疲労から静かな寝息をたてながらかべのこは眠りについた。
明日、自分が何をするかも知らずに…
〜続く〜